こんにちは。ここでは、授業の作り方について紹介していきたいと思います。
特に新任の先生など、国語の授業のやり方が分からなくて悩む人も多いはず。そんな迷える人たちに向けて、この記事を書きたいと思います。
授業の前提
国語が他の教科と異なるわけ
授業の作り方
授業を型にはめる
授業の前提
まず、「すべての生徒に対して、有効な授業」は存在しません。
極端な話、偏差値40の生徒と偏差値60の生徒に同じ授業をしてもだめですよね。
これは偏差値だけではありません。わかりやすいように偏差値を出しましたが、同じ偏差値でもそれぞれの性格や雰囲気によって良い授業は変わります。
したがって、ここで紹介するのは軸であり、それをもとに授業を組み立ててください。
国語が他の教科とは違うわけ(国語以外の方は下へ)
国語が他の教科と圧倒的に異なるのは、「どう教えるか」だけではなく、「何を教えるか」も考える必要があるということです。
例えば高校一年生現代文定番の「水の東西」。これは、対比構造を掴む教材として設定されていますが、対比構造を教えるとは一体どういうことか。「何ができれば、対比構造をわかったことになるのか。」が非常にあやふやなのです。
また、古文であれば、一つの文章の中に、「敬語」「係り結び」「呼応の副詞」などなど、多くの要素があります。何にフォーカスするべきかは教材によって大まかに決まっていますが、特に新任の頃はついつい前の事項の復習をしたり、次の事項の触りだけ教えたりしてややこしくなります。
このように、国語は「何を教えるか」を教員がしっかりと決めた上で向き合わないといけない教科なのです。
授業の作り方
さて、では授業を作るときの方法です。
まず、キーワードは「逆算」と「集中」です。
「逆算」とは、授業の最終的なゴールを最初に決めることです。それに到達するために、その前にこれをやって、そのまえにこれをやって、と、さかのぼって授業を考えるのが授業作成のセオリーです。
この「逆算」は、一時間単位でもそうですし、単元単位、学期単位でも同じことです。
例えば、「文章全体の要約をできるようになる。」というゴールに対して、それを到達するためには、「短い文章(段落ごと)の要約をできるようになる」のが、一歩手前の目標となるでしょう。さらに、その手前には、「要約とは何かをそもそも理解する。」とか、「文章の構成をつかめるようになる」という目標が立ったりするでしょう。
これらをうまく学期時間の中に配置することで、ゴールを達成する。これが授業の基本的な軸です。
授業・単元・学期の最終的なゴールを最初に決める。
それを達成するための「少目標」を配置してカリキュラムを作る。
続いてのポイントは「集中」です。
「集中」とは、「何を教えるか」を1授業に付きできれば1つに絞ることです。
例えば、古典において「動詞の活用」「形容詞の活用」「形容動詞の活用」を3時間で教えるとしましょう。その場合、毎回の授業で「動詞」「形容詞」「形容動詞」にふれるのではなく、1時間目は「動詞」、2時間目は「形容詞」と分けて授業をしたほうが、圧倒的に理解率が良いです。
もちろん、一度だけでは忘れてしまうので、問題や本文中で練習をするのは、数時間に渡ったほうがいいです。しかし、説明については、無理に詰め込めば生徒はこんがらがるだけ。それではもったいないのです。
1授業で教える内容を絞って、こんがらがらないようにする。
その分記憶が薄くなる可能性があるため、問題の部分では複数回に渡って、練習をする。
授業を型にはめる
さて、軸となるポイントを抑えた上で、今度は授業の型について伝えます。
まず、授業は型を作ることが重要です。型とは「単元の導入から終わりまでの各授業の流れ」のことです。
例えば、現代文であれば「音読→筆者について→作品背景→1段落目から読解→最後に要約・まとめ」のような大まかな流れが作れますよね?もう少し詳しく見れば、「1段目から読解」の部分も「問題形式で生徒に考えさせた後、解説」とか、「教員が解説をしていく中で、穴埋め形式で生徒と一緒にすすめていく」とか、様々な方法がありますよね。
古文でも、「音読→筆者・作品について→品詞分解→訳→まとめ」みたいな流れがあると思います。
このやり方を完全に型にはめることで、授業準備の負担を減らすことができます。
毎回同じ型ですすめるメリットはもう一つあります。それは生徒が次にどんなことをやるのか、予想できるようになるということです。
授業のテクニックのページでも話しますが、生徒は先を予想できることで「いつ終わるんだろう」という先の見えない洞窟から開放され、授業を受ける体力をうまく配分できるようになります。
また、一部の先生からは「型を作って楽なんかするな!」と言われそうですが、授業の型を作ってから、そこに新しい型を開発していけば、「今回の単元、導入のやりかただけ新しい方法を試してみよう」とか、「まとめのやりかたで、新方法を使ったけど、前のほうが良かったから、考え直さないとな」というような開発もできるはずです。
このように、型を作ることはメリットばかりです。どんどん自分なりの型を作って、授業準備をシステマティックにすすめていきましょう。
いかがでしたか?
実際の授業の仕方についてのテクニックについても、記事を書いているので、そちらもどうぞ。
では!こんなところで!また別の記事でお会いしましょう!
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